大東亜戦争と「開戦責任」―近衛文麿と山本五十六



大東亜戦争と「開戦責任」―近衛文麿と山本五十六
大東亜戦争と「開戦責任」―近衛文麿と山本五十六

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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時に国の行く末や外交を考える人すべてに贈りたい本

この本は近衛文麿の責任を明らかにしたが、価値はそれだけではない。この本の中では国家の戦略において最重要点をいくつも指摘している。たとえば、、
日露戦争後アメリカは共同での満州経営を提案してきた。これについてほとんどの歴史解釈は、アメリカが日本に横やりを入れて来たのを日本が排除したという評価である。当時日本はロシアと協調しながらアメリカを排除したが、それは日本がその後敗戦へと続くツキに見放されたような国運の始まりとなる決定的に誤った政策であった。しかしこのことを日本のほとんどの歴史教科書は適切に扱っていない。このトピックの扱いは小さく、「アメリカの横やり」という反米的な記述で終わっているのがほとんどなのである。もし、この時アメリカを排除することなく共同歩調を取ることが出来ていたなら、その後日本はどれだけの繁栄を享受出来たことだろう。こうした今後日本が忘れてはならない国家の重要な戦略上の視点を歴史的な経験から数多く指摘している点において、この本は価値が高いし是非ともお勧めしたいのである。
中川地政学入門

あるものは軍国主義に原因を求め左翼となり、あるものは必然の戦争と捉え右翼となる。しかし、この本を読めば、なぜ、あの無謀な戦争が行われたのか、いずれの視点からも腑に落ちる回答が得られると思います。

中川氏の場合は地政学を武器として分析しています。驚くべきはその地政学による分析の切れ味で、小室直樹氏のシステム論による分析にも引けをとらないレベルだと思います。ただ、小室氏の場合は将来に対する予測がずば抜けているという点で他を圧倒していると思います。しかし、実は地政学こそ将来を見据える上でこれほど強力な武器もないのである。

中川氏の分析は日本の敗北は必然と捉えています。一方、小室直樹の場合は「日本の敗因」という本で、こうすれば日本は勝てたという分析を行っています。しかし、いずれも同じ問題意識を共有していると思います。右翼にも容赦なく駄目出しを食らわすという点では、学問的な中立さを感じさせる作品であり、小室直樹の学問的な誠実さに近いものを感じました。合わせて、小室直樹の「日本の敗因」を読むと、相互補完的になり過去から未来に向けた視座がもてるようになるかもしれません。

中川氏が反共を唱えるときの文章はかなり癖があるものになりますが、歴史を冷徹に分析した場合にこんなにも読みやすい文章になるとは思いませんでした。中川氏入門書としても地政学入門書としてもお勧めの著作です。
知的好奇心をびんびん刺激する

著者の本を呼んだのは本書が初めてですが、ものすごい筆力です。ぐいぐい読ませます。
共産主義者、近衛文麿が軍部を巧みに操り、大東亜戦争開戦に持ち込んだのだと著者は主張します。目的は、日本の共産化です。大東亜戦争は近衛にとってはロシア革命であった。日本は敗れ、その後、日本は共産化する・・というのが近衛の描いた絵だったのだが・・・
その主張の真偽はともかく、ただただパワーに圧倒されます。迷いのない断定的口調が、読者を退屈させません。
知的好奇心をびんびん刺激する本であることだけは間違いないです。
噴飯本。冗談としか思われない。

 よく出版されたものだ。不思議だ。それが、…。近衛文麿が共産主義者?作者がアングロサクソン好きなのはわかるが、ここまで来ると、ふざけているとしか言いようが無い。優柔不断で、弁ばかりで、行動が伴わなかった彼であったが、天皇主義者であったことは確かである。また226事件の実行犯に恩赦を与えようとしたのも彼である。改革派であったとしても、「右」の方の改革派だ。彼が共産主義者であったならば、どうしてスターリンが終戦交渉に来た近衛を袖にしたのか、どうしてソ連軍の満州、千島、樺太への侵攻がなされたのか?説明が付かないのではないか?…共産主義者で、裏で通じているならば、彼の顔を立てそうな物だが?
 著者はよほど英米が好きなようだが、英米への亡命を提案する。嫌韓流。脱亜論者。親米保守は、日本にはいらない。有害なだけである。
日本は朝鮮半島の統一を促進し、民主化した新政権を迎えるのが、当然の義務と、私は思う。また靖国に祀られている者もそう思っているだろう。
今の日本では、全く信じられない世界なのだが・・・?

尾崎秀実が、いかに優秀で正体を隠しながらとはいえ、なぜ、権力(近衛)に近づき得たのか長年釈然としないものを感じていました。著者が断じるように近衛が共産主義者であったとすれば、一番すっきりします。近衛が早く死んでしまっているので、どれだけ志操堅固な共産主義者で、どの程度謀略として意識的に戦争に導いていったかは、調べようもないと思われるのだが、少なくとも左翼シンパであるのは間違いない事実でしょう。なんら予備知識のない方が、本書を現在の感覚で眺めると俄かに信じがたいように感じるでしょうが、近衛時代の陸軍軍務局内には、転向者の幹部候補上がりの将校の配属が多くなったとの軍関係者の談話も存在し、マルクス・レーニン主義者の国策レベルへの恣意的な浸透工作は確実です。また、尾崎秀実がこうした軍部と繋がりがあったことも事実です(直接指導していた。)。(したがって、尾崎は情報提供者のような末端スパイでないことは、容易に推察できます。ゾルゲスパイ組織を単なる情報収集活動集団と捉えるのはやはり過小評価です。諜報謀略集団です。)ナチスや大政翼賛体制の全体主義が共産体制のコピーといえるほどそっくりなのは、ヒットラーが一時期共産党活動を行っていた事実や、近衛が京大で左翼思想にかぶれていたことに関係がないとは誰も言えないはずです。ソ連も革命の伝播・共産体制の防衛をかけてコミンテルンを中心に世界中で陰湿な謀略を仕掛けていた時代であり、その勢いは、最近の新興宗教に匹敵するようなものだったのではないでしょうか。(かの、ナベツネさんも若い頃、左翼思想にかぶれていたそうですし・・・あまり、関係ないか?)しかるにこうした歴史的事実は、長い間、一般に広く認識されていないか、または無視されているのが実情ではないでしょうか。なぜか?言わずもがな・・です。官僚・マスコミ・政界・財界に万遍なくどれだけ左翼シンパあるいは勢力がいることか・・!
著者の全般的特徴として、左翼思想およびその勢力に関しては、徹底して拒絶し、潔癖であろうとし、表現が、時として過激になりとりつくしまもなくなるようなことがあるが、その背景には、本書の内容のような左翼思想が及ぼす恐るべき破壊行為を熟知しているからに他ならないと納得できます。私も決して認めたくないです。この本で疑いが確証に変わってから特に・・・。



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